ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
《ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む》 1835年頃

油彩/カンヴァス 91.4×122.2cm Bequest of Cornelius Vanderbilt, 1899 / 99.31

イギリスのロマン主義を代表する風景画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーは、44歳の時に初めてイタリアを旅して以来、この国の風景に魅せられ、なかでも水の都ヴェネツィアを愛しました。ヴェネツィアのカナル・グランデ(大運河)を主題にしたこの作品では、湿気をはらんだ大気のなかで、水面と建物、船、空が半ば一つに溶け合い、幻想的な情景を創出しています。ターナーは、建物の位置や高さ、運河の幅などを実景とは微妙に変え、風景の魅力を巧みに強調しました。水彩画のような透明感があり、金色に輝くような美しい色彩も、ターナーならではです。