マリー・ドニーズ・ヴィレール
《マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)》 1801年

油彩/カンヴァス 161.3×128.6cm
Mr. and Mrs. Isaac D. Fletcher Collection, Bequest of Isaac D. Fletcher, 1917 / 17.120.204

18世紀後半のフランスでは、社会的制約を受けながらも、様々な分野で女性が活躍し始めます。美術界にも、王妃マリー・アントワネットの専属画家を務めたエリザベート・ヴィジェ・ル・ブランをはじめ、画家を職業とする女性が現れました。ヴィジェ・ル・ブランの次世代の画家マリー・ドニーズ・ヴィレールは、アカデミー会員のアンヌ=ルイ・ジロデ・ド・ルシー=トリオゾンに絵画を学び、1799年から1814年の間にサロンに数回出品しています。この作品は、長いこと新古典主義の巨匠ジャック=ルイ・ダヴィッドが作者だと考えられていましたが、20世紀半ばに疑問視され、1996年に研究者によってヴィレールの手に帰されました。要素を絞った明晰な構図、逆光の効果の的確な描写などに確かな力量がうかがえます。女性画家をめぐる研究の進展を示す作品としても、注目されます。