レンブラント・ファン・レイン
《フローラ》 1654年頃

油彩/カンヴァス 100×91.8cm
Gift of Archer M. Huntington, in memory of his father, Collis Potter Huntington, 1926 / 26.101.10

春、花、豊穣を司る古代ローマの女神フローラは、ルネサンス期に多くのイタリアの画家が描いており、最も有名な例として16世紀ヴェネツィアのティツィアーノの《フローラ》(フィレンツェ、ウフィツィ美術館)が挙げられます。17世紀オランダの巨匠レンブラントが描いた本作品には、全体の構図やフローラのポーズにティツィアーノの影響が感じられます。聖書や神話を主題とする歴史画と肖像画の両ジャンルで活躍したレンブラントは、神々や歴史上の人物に扮装した肖像画を得意とし、結婚した1634年には新妻サスキアをフローラとして描きました(サンクトペテルブルク、エルミタージュ美術館)。本作品のフローラも、サスキアの肖像とする見方がありました。しかしサスキアは、この作品の制作から10年以上さかのぼる1642年に他界しています。