ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
《女占い師》 おそらく1630年代

油彩/カンヴァス 101.9×123.5cm Rogers Fund, 1960 / 60.30

ジョルジュ・ド・ラ・トゥールは17世紀のロレーヌ公国(現フランス北東部)で活躍し、ルイ13世の国王付き画家に任命されたほどの技量の持ち主でしたが、没後急速に忘れ去られ、20世紀に再評価された画家です。彼の作品は、明るい光に照らされた「昼の絵」と、蝋燭の灯が人物を照らしだす「夜の絵」の二つに大別されます。前者に属する《女占い師》には、占い師の老婆を見つめる若者が、周りの女性たちから財布や宝飾品を盗み取られる場面が描かれています。硬直したようなポーズ、にらみつけるような眼差し、派手な色の風変りな衣服が、強烈な印象を残します。占いの情景は、17世紀初頭のカラヴァッジョの作例を皮切りにヨーロッパ中で流行しました。ラ・トゥールの作品は、主題や明暗表現にカラヴァッジョの影響が感じられますが、彼がこうした流行をどのような経路で知ったのか、いまだに判明していません。