エル・グレコ
《羊飼いの礼拝》 1605–10年頃

油彩/カンヴァス 163.8×106.7cm Rogers Fund, 1905 / 05.42

ギリシアのクレタ島出身で、スペインのトレドで活動したエル・グレコは、細長く引き伸ばされた人体描写や神秘的な明暗表現を特色とする独自の様式の宗教画と肖像画で名声を博しました。「羊飼いの礼拝」はエル・グレコが得意とした主題です。画面中央に配された幼子イエスは、その身体からこの世ならぬ白い光を発し、周囲の聖母や羊飼いたちの表情や身振りを、暗闇のなかに浮かび上がらせています。奇跡の場面の神秘性を強調するドラマティックな明暗表現、細部描写を省略した大胆で生き生きとした筆遣いなど、エル・グレコならではの技量が際立つ1点です。