ルカス・クラーナハ (父)
《パリスの審判》 1528年頃

油彩/板(ブナ) 101.9×71.1cm Rogers Fund, 1928 / 28.221

「パリスの審判」は16世紀にドイツで流行した神話主題で、ドイツ・ルネサンスの巨匠ルカス・クラーナハ(父)も何度も絵画に描いています。ユノ、ミネルヴァ、ヴィーナスの3人の女神のうち、誰が「最も美しい者に」と記された黄金のリンゴを手にすべきか、判定を一任されたトロイアの王子パリスは、世界一の美女を与えると約束してくれたヴィーナスを勝者に選びました。この作品では、黄金のリンゴの代わりに水晶玉を持った伝令の神メルクリウスが、森のなかで目覚めたパリスに、3人の女神を引き合わせています。側面・正面・背面と、異なる角度から描かれた女神たちの生々しい裸体は、独特の官能性を漂わせます。甲冑や宝飾品の精緻なディテールや、うっそうと茂る草木、険しい山岳風景など北方特有の自然の細やかな描写も見どころです。