ディーリック・バウツ
《聖母子》 1455-60年頃

油彩/板 21.6×16.5 cm
Theodore M. Davis Collection, Bequest of Theodore M. Davis, 1915 / 30.95.280

ディーリック・バウツは15世紀ネーデルラントの主要画家の一人です。ハールレム(現オランダ)出身で、1457年頃からルーヴェン(現ベルギー)を活動地とし、1468年にルーヴェン市の公式画家に任命されたほど、高く評価されていました。《聖母子》はサイズが小さいことから、個人のために描かれたものと推測されます。バウツはモチーフを最小限に絞り、聖母と幼子イエスの感情の交流を描くことに焦点を当てました。見つめ合いながら頬を寄せ合う母と子の人間らしい温かみは、作品の持ち主の心に共感を呼び起こしたことでしょう。一本一本丁寧に描かれた毛髪や、腕・指の関節や首元のしわのリアルな描写など、北方特有の写実表現も鑑賞のポイントです。