フラ・アンジェリコ(本名 グイド・ディ・ピエトロ)
《キリストの磔刑》 1420-23年頃

テンペラ/金地、板 63.8×48.3 cm
Maitland F. Griggs Collection, Bequest of Maitland F. Griggs, 1943 / 43.98.5

初期ルネサンスのイタリアを代表する画家フラ・アンジェリコは、ドミニコ会の敬虔な修道士で、没後まもなく「天使のような修道士」(フラ=修道士 アンジェリコ=天使のような)と呼ばれるようになりました。彼は一点透視図法を用いて三次元空間を表現した最初の画家の一人です。キリストの磔刑場面を描いたこの作品は、背景が金地で埋め尽くされ、非現実的な設定ですが、十字架を取り囲む人々が手前から奥に向かって楕円形に配置され、空間の奥行きが表現されています。中世美術の非現実性・平面性とルネサンス美術の現実性・三次元性が融合した、初期ルネサンスの貴重な作例です。