WORKS作品紹介

Ⅰ.信仰とルネサンス

Devotion and Renaissance

イタリアのフィレンツェで15世紀初頭に花開き、16世紀にかけてヨーロッパ各地で隆盛したルネサンス文化は、神と信仰を中心とした中世の世界観に対して、それに先立つ古代ギリシア・ローマの人間中心の文化を理想とみなし、その「再生(ルネサンス)」を目指したものです。
中世の絵画では、キリストや聖母は平面的に超然とした姿で描かれ、神性が強調されていましたが、ルネサンスの絵画では、古代美術を手本として立体的に人間らしく描写され、 人物を取り巻く空間も、遠近法を用いて奥行きが表現されるようになりました。人間味あふれる古代の神々の物語を描いた神話画が、宗教画と並んで絵画の主要ジャンルになったことも、ルネサンス期の特徴です。また、ドイツやネーデルラントなど北ヨーロッパでは、 16世紀に宗教改革による聖像礼拝の否定を受けて、宗教画の需要は減り、神話画や肖像画が隆盛しました。
このセクションでは、イタリアと北方のルネサンスを代表する画家たちの名画17点をご覧いただきます。

フラ・アンジェリコ(本名 グイド・ディ・ピエトロ)
《キリストの磔刑》 1420-23年頃

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ラファエロ・サンツィオ(サンティ)
《ゲッセマネの祈り》 1504年頃

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ディーリック・バウツ
《聖母子》 1455-60年頃

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ルカス・クラーナハ (父)
《パリスの審判》 1528年頃

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ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
《ヴィーナスとアドニス》 1550年代

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エル・グレコ
《羊飼いの礼拝》 1605–10年頃

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Ⅱ.絶対主義と啓蒙主義の時代

Absolutism and Enlightenment

このセクションでは、君主が主権を掌握する絶対主義体制がヨーロッパ各国で強化された17世紀から、啓蒙思想が隆盛した18世紀にかけての美術を、各国の巨匠たちの名画30点により紹介します。
17世紀初頭、激しい明暗の対比や劇的な構図を特徴とするバロック様式がカトリック世界の中心都市ローマで生まれ、やがてヨーロッパ各地に伝播しました。ドラマティックなバロック美術は、カトリック教会と専制君主の宮廷という、聖俗二つの権力の誇示のために活用されたのです。
カトリック圏のイタリア、スペイン、フランドルでは、信仰心を高揚させる宗教画が制作され、 また、スペイン国王フェリペ4世の宮廷では、王侯貴族の壮麗な肖像画が盛んに描かれました。 一方、共和国として市民社会をいち早く実現し、プロテスタントを公認宗教としたオランダでは、 自国の豊かな自然を描いた風景画、花や事物を主題とする静物画、市民や農民の日常生活に題材を得た風俗画が、それぞれ独立したジャンルとして発展します。また、太陽王ルイ14世の治世下で、王権を称揚する芸術の創出を目指したフランスでは、美術政策の中枢を担ったアカデミーの理論に基づき、古代とルネサンスの美術を模範とする古典主義様式の絵画が展開されました。
18世紀初頭、ルイ14世の治世晩年になると、軽やかで優美なロココ様式の絵画が現れ、世紀半ばにかけて流行します。アカデミーの理論で低く位置づけられてきた風俗画・静物画の分野で優れた作品が生まれたことや、女性画家が躍進したことも、この時代のフランス美術の特徴です。

カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ)
《音楽家たち》 1597年

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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
《女占い師》 おそらく1630年代

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ニコラ・プッサン
《足の不自由な男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ》 1655年

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ヨハネス・フェルメール
《信仰の寓意》 1670-72年頃

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レンブラント・ファン・レイン
《フローラ》 1654年頃

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ピーテル・クラース
《髑髏と羽根ペンのある静物》 1628年

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アントワーヌ・ヴァトー
《メズタン》 1718-20年頃

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フランソワ・ブーシェ
《ヴィーナスの化粧》 1751年

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マリー・ドニーズ・ヴィレール
《マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)》 1801年

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Ⅲ.革命と人々のための芸術

Revolution and Art for the People

19世紀はヨーロッパ全土に近代化の波が押し寄せた激動の時代でした。このセクションでは、市民社会の発展を背景にして、絵画に数々の革新をもたらした19世紀の画家たちの名画18点を展覧します。
1789年に勃発したフランス革命は、フランスのみならず、全ヨーロッパの近代社会成立の転換点となり、その波は、各国で次々と民衆が蜂起した1848年に頂点に達しました。社会の急速な変化を受け、美術にも新たな潮流が次々と現れます。19世紀前半には、普遍的な理想美を追求するアカデミズムに対して、個人の感性や自由な想像力に基づき、幻想的な風景や物語場面を描くロマン主義が台頭します。そして世紀半ばになると、農民や労働者の生活情景や身近な風景を、理想化せずありのままに描くレアリスム(写実主義)が隆盛しました。
レアリスムの成果は、近代化が進むパリの都市生活の諸相を描いたマネやドガ、そして1870年代に印象派と呼ばれることになるモネやルノワールの絵画に受け継がれていきます。印象派の画家たちは、様々な気象条件のなかで、新しいパリの街並みや郊外の風景を観察し、その一瞬の印象を、 純色の絵具と斑点のような筆触で描き留めようと試みました。
1880年代後半になると、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなど、ポスト印象派と総称される画家たちが躍進します。彼らの作風はそれぞれに異なるものの、形態の単純化、構図の平面性、原色を多用した鮮烈な色彩表現など、20世紀初頭の前衛芸術の先触れとなる要素を含んでいました。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
《ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む》 1835年頃

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ジャン=レオン・ジェローム
《ピュグマリオンとガラテア》 1890年頃

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オーギュスト・ルノワール
《ヒナギクを持つ少女》 1889年

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エドガー・ドガ
《踊り子たち、ピンクと緑》 1890年頃

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フィンセント・ファン・ゴッホ
《花咲く果樹園》 1888年

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ポール・セザンヌ
《リンゴと洋ナシのある静物》 1891-92年頃

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クロード・モネ
《睡蓮》 1916–19年

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